【箱庭オーディオ】第2回 高コスパDAP「Shanling Q1」をDMRで活用する

Shanling Q1

箱庭サイズの(第1回で紹介した「アクリル製 [ぷち]オーディオラック 3段」に載る)USB DACは手元にあるのだけれど、操作が面倒。スマートフォンを音源にすればストリーミングも楽しめるけれど、接続は有線だからアルバムやプレイリストを切り替えるつど歩み寄り、手動で操作しなければなりません。これが、結構面倒くさい。

そこで考えたのが、パワーアンプに「Shanling Q1」を直結すること。この手のひらサイズのDAP、2020年秋のファームウェアアップデートでWi-Fiに対応、DLNA/DMRの機能も追加されています。つまり、PCやスマートフォンをUPnP/DLNAのプレーヤー(DMP)、NASを音源(DMS)にすれば、Q1をネットワークプレーヤーとして活用できるというわけです。

DAPをフルコンポでDACとパワーアンプを直結する話は珍しくないけれど、DAPを直結するというのはあまり耳にしないかも。とはいえ、Q1はプルダウンメニューからかんたんにラインアウト出力へ切り替えられるし、DACチップは「ESS Sabre ES9218P」(384kHz/32bit、5.6MHz DSD)でまずまずだし、バッテリー容量も1100mAhあるし。しかも、スマートフォンをDMPとして使えばリモコンを兼ねるから一石二鳥。結構イケるはず。

DMRで動作中は「UNKNOWN」の表示が。右上にはDLNAのマークが見えます

利用したスマートフォンアプリは「NePLAYER(iOS版)」、DMSにNAS(ここではDIGAを使用)、DMRにQ1をそれぞれ指定すれば準備OK。いざ再生すると…もちろん、音が出てくるわけだけれど、これがなかなかいいのです。

そもそもPA3というアンプは、なりは小さくてもそこそこパワフルで、立ち上がりの鋭さを感じさせます。そこへQ1に積まれたES9218Pのキレ味ある音がくわわるのだから。モバイル機器向けのDACチップとはいえ、そこはESS、解像感の高さを感じさせます。NASの音源をこれだけのクオリティで、しかも約1万6千円の出費で自由に聴けるようになるというのは、かなりの費用対効果といえるのではないでしょうか。

Q1をラインアウトに設定し、3.5mm-RCAケーブルでTOPPING PA3に直結しました
iPhoneがプレイヤー(DMP)でDIGAがDMS、Q1がDMRという構成です

運用上の課題としてはバッテリー切れ対策が挙げられますが、連続5時間再生しても50%以上の残量があったことを考えると、都度充電することで対応すればよさそう。面倒なことは確かだけれど、DAPとして持ち歩けて(しかも手のひらサイズ)メモリ再生とネットワーク再生の両方ともイケる、という柔軟性のほうが優ります。

それにしても、ここまで再生系機器が小じっかりしてくると、ほかの部分にも手を入れたくなるのが人情というもの。狙い目はやはりスピーカーなのだろうけれど、箱庭感を保てるサイズでとなると、自ずと選択肢は狭まってきます。さて、どうしたものか…