【使いコム】DIGAは使える”CDリッパー兼NAS”だ(1)

好きなように書いていい(予算はないけど)、書きたいだけ書いていい(予算はないけど)と言われているこのWEBサイト。それをいいことに、また新たなコーナーを立ち上げてしまいました。その名も「使いコム」。音の響きからは、会社の金とか公金を私的に流用する犯罪行為をつい連想しがちだけれど、

長い間使って具合よいものにする。使いならす。「長年―・んだ万年筆」(スーパー大辞林)

という意味もあるわけで。世にある製品レビューの多くは、発売直後に機能をひととおり試してそれでオシマイだけれど、オーナーになってじっくり使い込まないと気付かないこと、メリットがわからないこともありますよね? そんなことを、製品別に書いていこうと考えています。

そんな「使いコム」で最初に取り上げる製品はDIGA、言わずと知れたディスクプレイヤー&ビデオレコーダーの定番です。製品の主な用途は、放送波の録画やBlu-ray再生といったビジュアル方面ですが、ほとんどのモデルがCD再生&リッピングにも対応しています。

しかもDLNAをサポートしており、サーバ(DMS)として機能するから、プレーヤー(DMP)かレンダラー(DMR)の機能を持つデバイスがあれば、ネットワークオーディオにも使えます。DIGAをビジュアル製品として使わず、ひたすらCDをリッピングして貯め込み、オーディオ用のNASとして活用するという道もあるわけです。ファイル共有を有効にすればPC(Windows/Mac)やスマートフォンからアクセスできるので、CDリッパー専用機としてもじゅうぶん使えます。

さらに、DIGAには「ハイレゾリマスターファイル」を作成する機能がありまして。かんたんにいえば、リッピングとあわせてアップサンプリングを施したファイルを作成する機能で、CDの44.1kHzを2倍(88.2kHz)または4倍(176.4kHz)のサンプリングレートにしたFLACファイルとして取り込めるのです。この機能はなかなか貴重かも。

アップサンプリングは2倍、4倍で設定可能

あとは、DMP/DMRの機能を備えたオーディオデバイスを用意するだけ。お手軽なところではスマートフォン、radius NePLAYERなどのアプリを導入すればOK。DAPの「Shanling Q1」もコスパ抜群、最新ファームウェア(Ver 2.0)ではWi-FiとDLNA/DMR(DMPには非対応)がサポートされているので、スマートフォンアプリなどから指示を出せば、DIGAに貯めた楽曲を再生できます。

ただし、使いかたに少々クセがあります。ただリッピングしてDMP/DMRから再生するだけならかんたんなのですが、PCからアクセスしようとすると、DIGAが使用しているファイル共有プロトコル(SMB)の仕様が問題となるのです。

というわけで、数回にわけてDIGAのCDリッピング機能を解説していきます。リファレンスとして利用するDIGAは2019年夏モデルの「DMR-4W200」ですが、2018年秋モデル以降には同等の機能が装備されているので、参考にしていただければ。

radius NePLAYERを使い、DIGA上の曲をShanling Q1で再生しているところ
レビュアー
海上 忍

IT/AVコラムニスト。Linux/macOSなどUNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。近頃アコースティックギターにハマり、その忠実な再生環境を手に入れようと試行錯誤中。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。

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