【クイックレビュー 音質傾向・評価】
解像度: | |
滑らかさ: | |
低音の量感: | |
低域の質感: | |
総合: |
【 詳細レビュー】
デザイン
造形は写真の通り派手さがありませんが、筐体はアルミ削り出しで加工精度が高く、高級感抜群。削り跡のような粗さが見られず、勘合部分の隙間の小ささ、滑らかな表面仕上げなど、高級オーディオに通じる品位の高さは特筆に値します。
付属のセミハードケースも、素材の質感が良く縫製もキレイで、単独製品としても成立しそうな立派さ。こうした細部への配慮も、老舗ハイエンドブランドならではのこだわりでしょう。
音質
素の音が非常に良質です。耳当たりがスムーズで心地よく、いつまでも聞いていたくなる美音。恐らくインパルス応答を測定すれば、雑味なく原音を正確に引き出していることが証明できるでしょう。
このような素性の良さをベースに、Shanlingのハイエンドオーディオに通じる大らかで雄大な雰囲気を持たせたチューニングが絶妙。低域の鳴りの良さは、ジャンルを問わず音楽を支え、リッチに楽しみことができるでしょう。クリアで歪感とは無縁の滑らかなボーカルも、この価格帯の製品としては頭一つ抜けている感があり、実に味わい深いです。
イヤーチップは、標準の「Balanced」に加え、「Vocal」と「Bass」が付属していて、交換するとその通りに音質傾向が変化します。「Vocal」は低域がやや痩せて聞こえますが、ボーカルがよりクリアに、Bassは低域がより豊かに聞こえます。ほか、フォームタイプ(低反発)も付属していて、こちらは遮音性がアップすることで繊細な音がより聞き取り易く、空気感が増す効果も得られます。
このように、イヤーチップが選択可能ですが、標準の「Balanced」は本当にバランスが良く、音楽の旨味が味わえます。多くのユーザーはこのチップで幅広い音楽をナチュラルな高音質で楽しめるでしょう。
装着感
Shanling初のイヤホンですが、ピタッと耳にフィットします。ポジションも迷いなく1発で決まり、音質面で安定感があるのも美点です。
機能性・ほか
ケーブルはMMCX端子で着脱が可能です。付属のケーブルは勘合がピッタリで、着脱が容易かつ接続の安定感も素晴らしく、高精度なパーツを使用していることが窺えます。
総評
細部まで配慮の行き届いたクオリティーの高さと、Shanlingのセンスを感じさせる高音質で、イヤホンの新しい世界が見えてきました。それでいて価格は約1.7万円とコストパフォーマンスの高さは圧倒的。ハイエンドイヤホンに憧れる初心者から、既に10万円オーバーの高級モデルを体験済みのマニアまで、幅広い層にお勧めしたい好モデルです。
Shanlingについてお知りになられたい方は、以下の取材記事をご参考に。