ノズル交換も楽しいハイブリッド「MacaW GT600s Pro」

MacaW GT600s Pro

【クイックレビュー 音質傾向・評価】

解像度:5 out of 5 stars
滑らかさ:3.5 out of 5 stars
低音の量感:4 out of 5 stars
低域の質感:4 out of 5 stars
総合:4 out of 5 stars
高音質でファンも多いKnowles製BAドライバーとダイナミックドライバーによる意欲的なハイブリッドモデル。ステンレス(SUS316)材のハウジング、交換式ノズルによる音質チューニング、MMCX対応の着脱ケーブルなど、遊べる要素も盛りだくさんでマニアは注目!

【 詳細レビュー】

デザイン

ハウジングはステンレス(SUS316)材で、金属ならではの存在感が印象的です。
造形は個性的で、ユーザーそれぞれの好みで賛否が分かれそうですが、透明感のあるブルー(メッキ加工と思われる)が爽やかで、オーディオ機器としてなかなか格好良いと思います。

音質

プレーヤーはShanling M0を組み合わせ、ハイレゾ音源で試聴しました。
基本音質が良好なこのに加え、 本機は、ノイズが3種付属していて、ユーザーが好みに応じて音質をチューニングすることができます。
下位モデル「GT600s」と比べると、 子音の刺さりが少なくマイルドな印象で、 BAドライバーがKnowles製であることが大きな要因に思います。

以下、付属ノズルと、それぞれを組み合わせた場合の音質傾向を示します。

■ シルバー(標準ノズル)
高域は解像度が非常に高くクールな印象を受けますが、ボーカルなど中高域に厚みがあり、温かみも共存するのが魅力と言えます。
高域楽器のキラキラ感とウォームなボーカルのバランスが良く、総じてニュートラルな音調です

■ゴールド
シルバーノズルに対し、エネルギーが高域寄りに変化します。
単に高音が強調されるのではなく、飽和も抑えられているので、標準ノズルよりも滑らかな印象。輝きを増しつつ、刺さりも気にならず、高域重視の方にお勧めできます。
高域重視のユーザー以外も、楽曲や気分に応じてこのゴールドを選ぶと、気分も晴れやかになるかもしれません。

■ ブラック
ノズル自体のメカニズムとして、中高域をフィルタリングすることにより減衰させるようです。結果、音質傾向としては、低域の量感が増したように聞こえます。
ただし、ジャズボーカルやポップス系では、ボーカルが細くなって子音の刺さりも気になる傾向があります。一般ユーザーには扱いにくいと思いますが、イヤーチップやケーブルを交換してチューニングするマニアの場合、奥の手として使えるかもしれません。

装着感

ステンレス素材で重量感がありますが、基本として小型なので、慣れれば重さは気にならないと思います。
ノズル部は交換式なので、一般的な製品に比べるとガッチリしていますが、耳穴への収まりは問題ありませんでした。

機能性・ほか

ケーブルは着脱可能です。MMCX端子採用なので、リケーブルの楽しみも広がります。
音質チューニングが可能な交換式ノズルと併せて機能性は豊富と言えます。

総評

Knowles製BAドライバー採用によるリッチな音調を活かしつつ、ダイナミックドライバーで低域の迫力も感じられる優秀ハイブリッドモデル。価格も手ごろに抑えられ、興味深い製品です。
ノズルやイヤーチップの交換およびリケーブルで、好みの音を創り上げるのも楽しいでしょう。

レビュアー

オーディオ・ビジュアル評論家。国内最高権威を誇るAVアワード「VGP」審査員を務める。AV専門メディアやテレビ・新聞などのメディアを通じて、製品の選び方や使いこなしのコツを発信中。

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