日本ディックス製4.4mm端子「Pentacon」を採用するなど、エントリー級の価格帯ながら充実の機能を備えるDAP「R5」が話題のHiBy(ハイビィ)。その注目のブランドが、Bluetoothレシーバー「W3」を発売しました。日本での発売時期は未定ですが、これでもか、というほどのスペックを備えています。
同じレンジで争う中華DAPブランドに目をやると、よく似たコンセプトのBluetoothレシーバーが散見されます。しかし、よく見ればスペックには大きな違いが。共通する部分は多いものの、各社なりの持ち味があるようです。
そこで、HiBy W3を含むBluetoothレシーバー4製品の主要スペックを表にまとめてみました。いずれもQualcommのBluetooth SoC「CSR8675」を採用、コーデックにはLDACおよびaptX HDをサポートと、音質志向Bluetoothデバイスのトレンドを押さえています。
製品名 | HiBy W3 | Shanling UP2 | Shanling UP4 | Fiio BTR3 |
---|---|---|---|---|
BTチップ | CSR8675 | CSR8675 | CSR8675 | CSR8675 |
DACチップ | AKM AK4377 | ESS ES9218P | ESS ES9218P×2 | AKM 4376A |
SBC | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
AAC | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
aptX | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
aptX LL | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
aptX HD | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
LHDC | × | ◯ | ◯ | ◯ |
LDAC | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
UAT | ◯ | × | × | × |
2.5mm端子 | × | × | ◯ | × |
3.5mm端子 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
充電用端子 | Type-C | Type-C | Type-C | Type-C |
USB DAC | ◯(48kHz/16bit) | ◯(48kHz/16bit) | ◯(詳細不明) | ◯(48kHz/16bit) |
NFC | ◯ | × | ◯ | ◯ |
バッテリー(mAh) | 320 | 400 | 不明 | 300 |
サイズ(mm) | 58.82×25.6×15.8 | 55×27×12 | 不明 | 58×25×10.4 |
重量(g) | 19.5 | 26 | 不明 | 26 |
発売時期 | 発売済(日本は未定) | 発売済 | 2019年秋 | 発売済 |
DACが違う、端子が違う
違いのひとつはDACチップです。HiBy W3は最近搭載製品が出回り始めたばかりの「AKM AK4377」(2018年5月発表)をいち早く採用、1世代前のAK4376Aを積むFiio BTR3に差を付けます。Shanling UP2は定評あるESSのSabre ES9218Pを搭載、発表されたばかりのUP 4に至ってはES9218Pを左右独立のデュアル構成で2基搭載しています。
ヘッドホン端子は、取り上げた4製品とも3.5mmシングルエンドを用意しますが、Shanling UP4はDACデュアル搭載を生かした2.5mmバランス端子も用意。Bluetoothレシーバーもここまで来たか、という感じです。
HiBy W3が新コーデック「UAT」をサポートすることも、特徴といえるでしょう。このコーデック、HiByの独自開発によるもので、最大192kHz/24bitをサポート。同じHiBy製品やAndroidアプリ「海貝音楽」でデコードする仕組みで、再生環境は選びますが、LDACやLHDCを上回るサンプリングレート/ビット深度はアドバンテージともいえます。
ほかにも、受信中のコーデックを確認できる(Shanling UP2)などの違いはありますが、サイズと価格帯はほぼ同じ。HiBy W3とShanling UP4の日本での発売時期は不明ですが、導入されたらさらに迷うことになりそうです。